
【株式会社NTTドコモ様】実績紹介:女性社員向けリーダーシップ養成研修
株式会社NTTドコモ様では、中期経営計画の中で「人的資本経営」を掲げ、女性活躍推進を重要な取り組みの一つとして位置づけられています。多くの企業に共通する課題として、女性社員は男性社員に比べ、管理職への昇進に対して消極的な傾向が見られます。NTTドコモ様およびグループ会社様(以下、ドコモグループ様)ではこの課題に対応するため、管理職昇格前の女性社員層を対象とした階層別研修を毎年実施されています。EQパートナーズ株式会社は2018年よりこの研修を担当させていただいており、2024年度の主査層向けの研修では、「課長職へ挑戦してみたい」というキャリアへの肯定度は研修前と比較して16.9%向上しました。今回は、ドコモグループ様の女性リーダー育成の取り組みについてご紹介します。
(EQパートナーズ株式会社 プランナー/コーディネーター 橿棒恵美子)
お客様のプロフィール
株式会社NTTドコモ
本研修のご担当者様:株式会社NTTドコモ 総務人事部キャリアデザイン室 ダイバーシティ推進担当 主査 土橋聡美様
研修対象者:管理職昇格前の女性社員2階層 主査約140名様 担当者約100名様
研修の狙い
この研修は、管理職昇格を視野に入れた女性社員が、自分らしいリーダーシップを模索しながらスキルとマインドを高めることを目的としています。半年間にわたる全6回のプログラムの中で、参加者は事前・事後課題にも取り組み、実践を通じた学習を行いました。
また、研修効果を最大化するために、上長研修も並行して実施しました。ダイバーシティ経営の重要性を再確認し、アンコンシャスバイアスやメンバー育成力について振り返ることで、受講者を支援する環境を整えました。
研修の特徴①:実践を重視した研修設計
研修は6か月にわたり実施され、各回の間には事前・事後課題を設定しました。特に研修での学びを職場で活かすために、上司との1on1ミーティングとAAR(After Action Review)シートを活用し、研修内容の定着と行動変容を促しました。
研修の特徴②:上長研修の実施
受講者の成長を支援するため、上長研修も実施しました。ダイバーシティ経営の視点を深めるとともに、アンコンシャスバイアスの理解や部下育成のポイントを学び、女性リーダー育成への意識を高めていただきました。
研修の特徴③:実践的なリーダーシップスキルの習得
担当者層では、問題発見・解決力などの基礎スキルを中心に学び、主査層ではさらにステップアップした内容を習得しました。補助教材として動画や参考図書も活用し、学習の定着を図りました。
研修の特徴④:女性リーダーのロールモデル提供
女性管理職比率は年々向上しているものの、現場の女性社員にとってはロールモデルが少ないという課題があります。そのため、パネルディスカッション形式の「対話会」を開催しました。育児や家事とキャリアを両立している方、社外の社会活動などでも活躍している方など、多様な先輩社員からの経験談が共有されました。質疑応答なども活発に行われ、受講者が今後の自身のキャリアプランを考える良い機会となりました。
自分らしいキャリアとリーダーシップを支える
本研修を通じて、「自分らしいリーダー像」を考えるきっかけを得たことで、受講者のキャリア意識に一定の変化が見られました。また、上司との1on1を活用したフィードバックを通じて、研修前後の行動の変化が確認され、キャリアに対する肯定的な意識が高まったと感じています。例えば、主査層を対象としたアンケートでは、「管理職の役割をやってみたい」と回答した割合が研修前と比べて16.9%増加しました。さらに、研修前後で実施したリーダーシップスキルチェックシートでは、受講者自身の自己評価と上司からの評価の両方が全体的に向上する結果が得られました。
一方でこの研修は、管理職を目指すかどうかに関わらず、受講者一人ひとりが「自分らしいリーダーシップのあり方」を考えることも大切にしています。昇格やキャリアの選択には、家庭やライフステージなど様々な要因が影響します。また、忙しい日々の中では、自分自身のキャリアをじっくり考える時間を持つのが難しいものです。
管理職に昇格するかどうかに関わらず、自身のキャリアを大切にすること、自分らしい形でリーダーシップを発揮することが、職場において価値ある貢献につながるというメッセージも、研修全体を通してお伝えしています。
この取り組みは、「女性管理職比率の向上」という数値目標の達成にとどまらず、「一人ひとりのキャリアと丁寧に向き合う」というドコモグループ様の思いが人的資本経営にもつながっていると考えます。
EQパートナーズでは、引き続き実践的かつ効果的な研修を提供し、ドコモグループ様の女性リーダーの成長を支援してまいりたいと思います。
EQパートナーズのサポートについて
受講者のみなさまの声
- 「リーダー=みんなを引っ張る存在」と考えていたが、多様なリーダー像があると知り、自分らしいリーダー像を模索するきっかけになった。
- リーダーに対する苦手意識が薄れ、前向きに考えられるようになった。
- 上司との1on1やフィードバックを通じて、自身の強み・弱みを客観的に把握できた。
- すぐに活用できるスキルを習得でき、実際の業務に落とし込むことで、後輩育成やチーム運営や業務改善につなげられた。
- 他の参加者との意見交換やディスカッションが、自分の考えを整理する上で有意義だった。
- 研修メンバーとの交流が刺激になり、モチベーション向上につながった。
お客様のコメント
今回のプログラムについて、事務局様から以下のようなコメントをいただきました。
【土橋様コメント】
Q:本研修の目的・意図について、改めてお聞かせください。
本研修の目的は女性社員本人のマインド・スキル両面における能力開発の機会を提供し、強みを活かしたリーダーシップの取得につなげることで、女性社員のキャリア形成を支援することになります。
Q:プログラムについてご満足いただけているかお聞かせください。
プログラムテーマについて、各階層に求められるレベル感を配慮しており、日々の業務とのPDCAを回せるカリキュラムだったため受講者の行動変容に大きくつながりました。また、アセスメントの実施により受講者の自己理解を促進でき、実施前後の効果が定量的に見えることも非常に評価できる点となります。
Q:EQパートナーズにお任せいただいてよかった点や、弊社をお選びいただいている理由、今後さらに期待する点などありましたらお聞かせください。
研修を運営していく中で、研修内容や運営方法についてより良くするために柔軟に対応していただき安心してお任せできました。本研修は来年度以降も継続的に実施していく検討を進めており、本研修をトリガーに受講者のその後の行動変容が継続して見られるように、より質の高い研修を作り上げて行けるよう、今まで数々の研修をご担当された豊富な経験やアイデアをいただければ幸いです。
担当者層メイン講師 高橋美緒講師からのコメント
Q:本研修を実施する上で、工夫された点はどのようなところでしょうか?
本研修では、知識のインプットだけでなく、「実践→振り返り→改善」というプロセスを重視した設計を行いました。特に、上司との1on1やAAR(After Action Review)シートを取り入れることで、現場での実践と内省を繰り返しながら、学びの定着と行動変容を促しました。また、心理的安全性を大切にした場づくりに努め、参加者同士が率直な対話を通じて多様な価値観に触れられるようファシリテーションを工夫しました。
Q:研修を通して、受講者はどのように変化したように感じますか?
はじめは「リーダーになる自信がない」「自分にできるのか不安」といった声も多く聞かれましたが、回を重ねるごとに、「自分らしいリーダー像が見えてきた」「やってみたいと思えるようになった」といった前向きな言葉が増えていきました。上司との対話や仲間との学び合いを通じて、自信と納得感を持って次のステップに進もうとする姿勢が芽生えていったように感じます。
Q:研修の実施を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
管理職への挑戦は、スキルや経験だけでなく、マインドの準備も非常に重要です。本研修は、女性社員が自らの強みや価値観に気づき、「自分らしいリーダーシップとは何か」を考える機会となります。また、上司や組織全体が変化を支援する仕組みを組み込むことで、より効果的な人材育成につながります。多様な人材が活躍できる職場づくりに向けて、ぜひ本プログラムをご活用いただければ幸いです。
主査層メイン講師 冨田香織講師からのコメント
Q:本研修を実施する上で、工夫された点はどのようなところでしょうか?
本研修では、受講者の主体的な学びと実践的な気づきを促すため、いくつかの工夫を行いました。受講者同士の交流を深めることを重視し、グループワークを活用したシェアの機会を多く設けました。またリアルな現場の声を重視し、一つ上の役職者の方に参加してもらい「対話会」を実施しました。同じ企業内のロールモデルによる実体験の共有により一つ上の役職にチャレンジする意欲が向上したと思います。自己理解を促進するために診断やチェックシートを活用したことも受講者が課題を明確にし次への挑戦心を喚起する点で効果的でした。
Q:研修を通して、受講者はどのように変化したように感じますか?
受講者の多くが「自分らしいリーダーシップ」への理解と意欲を高めたことが確認できたと感じています。人はどうしても自分の「弱み」に注目してしまいがちです。ですので研修全体を通して「強みを活かす」「自分らしさを活かす」方向へと転換したことで自信をもってチームに関わろうとする姿勢が見られました。また、実践と学びを通して、部下との関係づくりや意見の伝え方にも変化が現れており、実務への応用意識が高まっています。完璧を求めるのではなく、一歩踏み出すチャレンジ精神を持つようになったことも、大きな成長といえます。受講者間の距離感も縮まり、学び合いの環境が醸成されている点も成果の一つです。
Q:研修の実施を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
本研修では、知識のインプットにとどまらず、実務に活かせる「行動変容」を意識して研修を設計しています。自ら考え、対話する時間を多く設けることで、受講者が自分ごととして学びを吸収できる環境を提供しています。また、「強みを活かす」「任せる」「言うべきことを伝える」など、管理職として必要なスタンスの定着を重視しています。多様な価値観を尊重しながら、それぞれが自分らしいリーダー像を描けるように設計することが、成果につながる研修の鍵だと考えます。多様性が求められる社会ではありますが女性が自信を持ってリーダーシップを発揮するには適切な学習が重要だと思います。
EQパートナーズ 講師一覧
EQパートナーズ 研修プログラム一覧