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【東芝エネルギーシステムズ株式会社様】シニアマネジャー(部長)研修
東芝エネルギーシステムズ株式会社様は、2017年10月1日に株式会社東芝から分社化し、東芝グループの注力分野であるエネルギーソリューション事業を担っておられます。「エネルギーをつくる、おくる、ためる、かしこくつかう」ための機器・システム・サービスを提供し、2040年の未来の社会に向けたビジョンとして「エネルギーのあり方そのものをデザインする企業として未来を始動する」ことを掲げていらっしゃいます。
東芝エネルギーシステムズ株式会社パワーシステム事業部様(以下、パワーシステム事業部様)では、シニアマネジャー(部長)向けの研修を実施しておられます。EQパートナーズ株式会社では2018年の同研修スタート時より設計・実施に携わらせていただいております。年々内容をブラッシュアップしながら、継続的に実施している同研修での取り組みをご紹介いたします。
(EQパートナーズ株式会社 執行役員・エグゼクティブコンサルタント 堀井利江)
お客様のプロフィール
東芝エネルギーシステムズ株式会社 パワーシステム事業部
研修対象者:部長職全員(毎年約20名)
研修のねらい:部長としてだけでなく、経営者として高い視座を持つこと
2018年、当時の経営層から「これからの経営を担う部長たちにもっと成長する機会を提供したい」との思いをお伝えいただき、当時の事業部長様がEQパートナーズの研修をご受講いただいていたご縁から弊社にご用命いただきました。
部長としてだけなく、経営者として高い視座・広い視野を持ち、事業全体を俯瞰し、事業に対する責任感と覚悟を持って考え、実践できる人財を育成することが本研修の目的です。
研修の特徴①:部長職全員が経営人財となることを目指す
パワーシステム事業部様では、部長職全員が経営視点で事業を考え、日々の業務を執行できれば、組織はより強くなるとの理念のもと、部長には市場全体、競合状況、戦略、人と組織、お金の面など全方位で思考できる力、実践力を身につけることが求められます。
これを踏まえて当社がご提供しているプログラムでは、2018年は経営全般の知識を学んでいただくところからスタートし、2019年は財務会計、2020年は経営マインド・DX・アントレプレナーシップを追加、2021年からは3年サイクルで学んでいただく現在のスタイルに変更いたしました。
研修の特徴②:3年1サイクルでの継続的な学び
2021年から3年1サイクルでのプログラム設計に変更し、2023年で1クール目が終了いたしました。2024年からは2周目となる新たなサイクルがスタートしております。
3年のサイクルのどこからでも開始できるようになっており、昇格や転入等の異動のタイミングで受講を開始していただき、3年受講すると修了となります。
一般的に階層教育とは、年度ごとの単発での実施となることが多いかと思います。パワーシステム事業部様のように、長期的な視野を持って人財育成を行うことは、とても多くのメリットがあると言えます。経営全般の基礎知識だけでなく、ひとつひとつの専門的な内容をじっくりと学び、身につけていただくことが可能なだけでなく、受講者自らが主体的に考え、構想できるようになるまでサポートすることができます。また、短期間の研修と比べ、長期的にフォローする体制があることで、研修でのインプットと日々の業務の中での実践とを、より効果的に接続することが可能になっています。
プログラム例
1年目 モノ・コト系(戦略・マーケティング)
2年目 ヒト系(リーダーシップ・組織)
3年目 カネ系(アカウンティング・ファイナンス)
3年サイクルの研修構成で、どこからでも参加でき、3年間受講いただくこととなっています。
研修の特徴③:“学びの系譜”が組織に根づく、社内育成の連鎖
この研修を通じて、広い視野、判断力、決断力、行動力、責任感・覚悟、人間力、人財育成力などを強化することが求められており、研修の修了者からは多数の昇格者が出ています。現在の取締役事業部長もこの研修の修了生であり、受講者の上司である技師長、ビジネスユニット長、センター長にも修了生が多数おられます。現在では、これらの方たちが研修の最終発表時に評価者として参加し、フィードバックコメントをいただいています。
長期的・継続的な人財育成を行うことで、このように社内に「共通言語」を持ったリーダーが増えていく好循環を生んでいます。
EQパートナーズのサポートについて
受講者のみなさまの声
・従来はどうしても自部門中心の思考になりがちだったと思います。研修を通じて、本当にその考えが全体最適なのか、あるいはもう少し大きな規模での貢献になっているかを考えながら業務をすることの大切さを再確認しました。
・形式的ではなく本質をとらえて、目的と手段を間違えずに今後も視座を高めていきたい。
・自部門を運営していく上で、部門内の業務にとどまらず、上位の経営者としての目線で組織やプロセス、人財育成の最適化を図っていきたい。
お客様のコメント
今回のプログラムについて、事務局様から以下のコメントをいただきました。
【東芝エネルギーシステムズ株式会社 パワーシステム事業部 ご担当者様のコメント】
Q.本研修の成果や達成できたこと、良かった点がありましたらお聞かせください。
各部長には経営者の一人として、特に、市場全体、競合状況を踏まえた戦略策定、人と組織を高い視座、広い視野で検討した部門経営を実践してもらっています。また人財育成においても、次期役職者の指導の際に本研修で身に着けた能力を活かしてもらっています。
Q.今後の課題や改善点がありましたらお聞かせください。
実務を通じて研修の効果を確認するとともに、次年度以降の研修計画へ反映していきたいと思います。引き続きご協力いただければありがたいです。
Q.研修を通しての所感や弊社への期待などがありましたらお聞かせください。
研修内容の見直しは、年度中は受講者の理解度に合わせ、また年度単位でも過年度の好事例、反省点を議論させていただき年々研修の質は向上しています。我々がどうしても社内思考に陥りがちなところを業界のトレンドも含めたプロの視点でアドバイスをいただき感謝しているとともに、今後もよりよい研修の提供を期待しております。
【ご参考】3年サイクルの研修の流れ
【担当講師 志垣講師からのコメント】
志垣宗繁講師のプロフィールを見る
Q.本研修を実施する上で、工夫された点はどのようなところでしょうか?
経営幹部として必要な「視野・視座・視点」を体系的に広げ、実際の行動変容につなげるよう設計しました。特に部長層の方々が、自部門を超えた企業全体・社会全体の観点から価値創造を考えられるよう、「経営者マインド」の獲得に重きを置きました。
研修全体を通じて、インプット → 自部門の課題抽出 → 解決策構想 → 中間発表 → 経営視点での最終発表という流れの中で、知識を得るだけでなく「自分の言葉でアウトプットすること」にこだわりました。
研修全体を通して、学びを蓄積・内省し、自身の経営構想をアウトプットする戦略的思考力と経営者としての覚悟を定めることを意識しました。
Q.研修を通して、受講者はどのように変化したように感じますか?
「ヒト」に焦点をあてると、ややもすれば組織論に終始してしまいがちなのですが、何で組織をドライブして行くのかという経営的視点を意識していただいたと思います。最終日には「経営者視点で未来の事業と人財戦略を描く」という挑戦的なテーマに対し、自らの殻を破ろうとする試みが見られました。
特に、Day1で学んだパーパス経営や人的資本の視点を踏まえ、「自部門の人的資本投資の優先エリア」や「あるべき組織の姿」を自ら導き出し、最終発表でその構想を他者と共有できたことが、大きな成長の証です。
Q.今後、管理職向け研修の実施を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
東芝エネルギーシステムズ様のように、部長層に対してパーパス経営、人的資本、DX、イノベーションといった経営変革の軸を連続的に学びとる研修設計は、組織全体の経営力を底上げする非常に有効なアプローチだと考えています。
近年では、管理職の役割は、もはや「現場の管理」だけではなく、「Foresight(未来を予見する力)とInsight(洞察力)を兼ね合わせながら変革を牽引する経営者代行者」へと進化しています。だからこそ、視野(広い世界を見通す力)、視座(高い位置から俯瞰する力)、視点(鋭く現場を捉える力)を同時に養う研修が必要です。
一方で特定のテーマだけを取り上げたり、フォーカスし過ぎたりすると、全体像を見失い、目的と手段が逆転することが起こります。
本研修では、知識のインプットにとどまらず、参加者自らが主体的に「考え、構想し、言葉にする」ことで、経営リーダーとしてのマインドと行動を鍛え上げていきます。
そのためには、「答えを教える研修」ではなく、「問いを投げ、考える場」を提供することが鍵となります。
経験学習と個別支援を組み合わせたプログラム設計を、ぜひご一緒に構築していければと思います。
【担当プランナー・コンサルタント 堀井コメント】
堀井利江講師のプロフィールを見る
本研修を企画・運営させていただく中で感じていることが3点あります。
1つ目には、3年サイクルの研修ですので、継続的な人財育成を考えることができることです。単年度では、ヒト・モノ・カネの中でその年の該当領域をじっくり極めながら、3年トータルで経営視点を身につけていただく設計とすることができます。
2つ目には、設計段階から事務局様とご一緒に詳細に組み立てていくことができていることです。会社としての方針、経営者の方々の目指すところをお伺いし、それを反映させた研修設計とし、毎回、毎年、ブラッシュアップしております。
3つ目には、受講者の皆様が既に重責を担っておられるお忙しい日々の中、研修に対して真摯に取組んでおられ、毎回活発な議論がなされていることです。また学びの成果をご自身の部署、あるいは横断での実践に取り組んでおられることをお聞きし、学び合い、実践する姿勢にこちらも大きな刺激をいただいております。
この研修に携わることで大きな学びをいただいております。今後もより貢献させていただけるよう尽力してまいります。