【NTTドコモグループ様】実績紹介:若手経営リーダー育成プログラム
株式会社NTTドコモ様、NTTドコモビジネス株式会社様、NTTドコモソリューションズ株式会社様(以下、ドコモグループ様)では、市場環境が急速かつ予測不可能に変化しテクノロジーが進化する現代において、世の中に迅速に付加価値を提供し続けるため、年齢や年次にとらわれず若手から早期に経営人材を育成する必要性を認識されていました。
このような背景を踏まえ、グループを牽引し世の中に付加価値を提供し続けられる経営人材を育成するために、ドコモグループ様では2024年度より30代前半の新任課長・主査層を対象とした選抜型の育成プログラムを新設されました。
EQパートナーズ株式会社では、本プロジェクトの立ち上げよりプログラムの一部を担当させていただいております。ドコモグループ様の新しい挑戦をご紹介いたします。
(EQパートナーズ株式会社 プランナー/コーディネーター 野澤佳奈子)
お客様のプロフィール
研修ご担当者様:株式会社NTTドコモ 総務人事部 人事企画担当 浅生田浩輔様
研修対象者:主査・課長層(24名)

左:NTTドコモ浅生田浩輔様 右:EQパートナーズ李講師
研修の狙い:グループの将来を担う経営人財の早期育成
本研修はドコモグループ様の将来を担う若手経営人材の育成を目的としており、具体的な育成カリキュラムとして、ハードアサイン・メンタリング・サポートプログラムを実施していらっしゃいます。
弊社はこの中でサポートプログラムを担当させていただきました。サポートプログラムでは、経営人材として必要な知識を獲得するために経営戦略・財務等の経営知識を学ぶ育成プログラムの提供などの成長支援を行いました。
主な狙いは以下の通りです。
• 現職場で重要な経営課題に取り組み、実践を通じて成長を促す。
• 財務、経営戦略、リーダーシップなど、経営の基礎となる知識・スキルを獲得する。
• 社外メンター(グループコーチングにおける外部コーチ)を活用し、社外視点を獲得する。
• 特に職場だけでは獲得が難しい「戦略的方向の設定能力」と「財務感覚」を補完する。
• 研修(知識インプット)と各人の経営課題への取り組み(グループコーチングでサポート)を通じて、1年後には経営・戦略・マーケティングのフレームワークを理解し活用できるレベル、財務データから自組織の強み・弱みを診断し戦略的な意思決定ができるレベルへの到達を目指す。

研修会場の様子
プログラムの全体像
• 経営基礎インプットセッション: 企業理念・ビジョン、経営戦略、アカウンティング、マーケティング、ファイナンス、DXビジネスモデル、変革のリーダーシップ等をオンラインと集合形式のハイブリッドで学ぶ。
• 経営道場: 社外の経営者を招き、直接対話することで高い視座や広い視野を養う(過去の他社事例では、スターバックスジャパン元CEOの岩田氏やソニー元執行役員常務河野さまなどが登壇)。
• グループコーチング: 1~2ヶ月に1回の頻度で、研修で得た知識やフレームワークをハードアサイン先での課題解決に活かすために、経験豊富なコンサルタントから実践的なコーチングを受ける。
• 発表会: 1次発表と2次発表を通じて、取り組みの成果や学びを共有。
• レポート課題: 「経営」や「カネ」に関するレポート提出を通じて、知識の定着度合いを確認。
• 課題図書: 事前に6冊の課題図書が配布され、プログラム開始までに通読。
研修の特徴①:多様な育成手法を掛け合わせた相乗効果
本プログラムでは、挑戦的な実務経験(ハードアサイン)、上位者による個別指導(メンタリング)、そして集合研修・経営道場・グループコーチングなど外部専門家による体系的インプット(サポートプログラム)の三本柱を戦略的に組み合わせています。単一手法では得られない多角的な視点を養い、知識・スキル・マインドセットを総合的に強化することで、現場で発揮できる実践力を飛躍的に高めます。
研修の特徴②:徹底したカスタマイズによる“自分事化”と学習効果の最大化
本プログラムは画一的なパッケージではありません。ドコモグループ様の事業特性・企業文化・受講者が直面する経営課題を丁寧に分析し、内容をカスタマイズしています。たとえば、企業理念や経営戦略のセッションではドコモグループ様の実事例を活用し、アカウンティング/ファイナンス講義ではNTTの財務諸表を教材にします。受講者が「これは自分たちのことだ」と腹落ちできるため、学びが実務へ直結し、応用力が格段に向上します。これにより、知識の習得に留まらず、実務への応用力向上を強力に支援します。
研修の特徴③:経営道場とグループコーチングによる視座向上と課題解決の伴走支援
知識のインプットに留まらず、その応用と昇華を重視します。「経営道場」では、社外の著名な経営者との直接対話を通じて、高い視座と広い視野を獲得する貴重な機会を提供します。一方、「グループコーチング」では、経験豊富なコンサルタントが、参加者一人ひとりが「ハードアサイン」先で取り組む経営課題に対し、研修で得た知見を活かした具体的な解決策の策定と実行(PDCA)を伴走型で支援します。
これらの仕組みは、過去に実施したパナソニック コネクト株式会社様向けプログラムでも高い評価を得ており、効果検証済みのメソッドです。
EQパートナーズのサポートについて
受講者のみなさまの声
・学びと実践と両方とも出来る点、このような機会が無いと体系的に学ぶことが出来ないファイナンス面などをみっちり教えてもらえたこと、また岩田さん、河野さんなどこのような機会(経営道場)でなければ聞けない話も聞けて良かったです。
・講義内で他社を含む状況についての共有、外部講師の講演を通じた社外の情報に触れられること。
・経営道場として社外の経営者のご経験をご教授いただいた点は良い刺激となりました。
・李先生の講義は内容がわかりやすくて、本質なことを問いかける、考えさせるところがよかったです。
・全体を通してあらゆる面で成長できたかと思います。
・今回の研修効果を最大化するために自業務や会社・顧客に価値を提供できるように精進します。
・全体的に教科書ベースの講義というよりも経験を活かした講義だったので、非常に参考になる機会が多かったです。
・これまで「経営」というものを意識せずに社会人生活を送って来ていたのが正直なところですが、今回の研修を通じて、経営人材には何が必要で、自分には何が足りていないかを理解することができ、大変貴重な機会となりました。
お客様のコメント
今回のプログラムについて、事務局様から以下のコメントをいただきました。
【株式会社NTTドコモ浅生田様からのコメント】
Q.今回の研修を実施する中での、感想、特に印象に残った部分を教えてください。
今回の研修では、参加者の積極的な姿勢が特に印象に残りました。ディスカッションやグループワークにおいて、参加者の皆さんが率直に意見を交わし合い、新たな視点を獲得した様子が見受けられました。このような相互交流の場を通じて、さらに深い理解が形成されたと感じていますし、それは研修をファシリテーションしていただいたEQパートナーズの皆様のおかげだと感じております。
Q.EQパートナーズにお任せいただいてよかった点や、弊社をお選びいただいている理由、今後さらに期待する点などありましたらお聞かせください。
EQパートナーズ様にお任せして良かった点としては、カスタマイズされたプログラムの提供です。
御社を選んだ理由には、アカデミックな内容のインプットだけに留まらず事業課題の解決にまで直結するアプローチをして頂いている点でございます。
今後さらに期待する点としては、弊社を客観的に見た時に何が足りていないのか?という部分についてぜひ忌憚のないご意見を頂けると幸いです。
Q.プログラムについてご満足いただけているかお聞かせください。
今回のプログラムには非常に満足しています。ニーズに応じた内容構成と、実践的なアプローチが特に評価できるポイントです。講師の方々が持つ専門性も非常に高く、参加者にとって有意義な学びを得る機会となりました。
Q.同様の課題感を持つ企業様、導入を検討している人事の方などへメッセージがありましたらお願いいたします。
同様の課題を抱える企業様へお伝えしたいのは、EQパートナーズのリーダー育成研修プログラムが研修対象者だけでなく組織全体への好影響があるという事です。人事の方々にとっても、持続的な企業成長を支援する有用なパートナーとなると捉えています。
講師コメント
【メイン講師 李講師よりコメント】

李道明講師のプロフィールを見る
Q.本研修を実施する上で、工夫された点はどのようなところでしょうか?
VUCA時代においては、過去の成功体験の延長線上に正解は存在しません。そのため本研修では、「何かを教わる場」ではなく、「問いを立て、自ら学び取る場」であることを強調しました。受講者が受け身になるのではなく、自らの視点・意志で仮説を構築し、対話の中で磨きあっていく――そんな能動的な学びの姿勢を引き出すことを意識しました。
レクチャーは最小限に留め、ディスカッションと実践的な演習を中心に構成しました。受講者はフレームワークの理解力や協調性、処理能力に優れていましたが、それを「情報の編集」にとどめるのではなく、「自社の文脈で本当に使える知」として定着させることが、本研修の狙いです。
たとえば「カスタマーサクセス」の議論では、「そもそも顧客はなぜNTTドコモと契約し続けているのか?」という本質的な問いを投げかけました。すると、「自社の強みを明確に意識したことがなかった」等の率直な声が多く挙がり、あらためて顧客視点やインサイトの重要性を実感していただくきっかけとなりました。
また、分析力が高いことがかえって情報過多につながり、論点が曖昧になってしまうこともあるため、論点を一言で言い切る概念化力、主張を端的に伝えるストーリーテリング力の強化に向けて、プレゼンや発表に対してはきめ細かなフィードバックを行いました。
加えて、戦略・マーケティング・会計・財務・組織変革といった多様なトピックを扱う中で、それぞれの知識が断片化しないよう、「どう統合的に活かすか」という視点でファシリテーションを進めました。予定調和に収まらない問いを重ね、経営者視座での概念化力を鍛えることで、受講者自身が「言葉にならない違和感」や「問いの本質」に向き合う時間となるよう工夫しました。
Q.研修を通して、受講者はどのように変化したように感じますか?
研修期間中、受講者はそれぞれの所属企業が抱える経営課題をテーマに、プロジェクトに取り組みました。開始当初は、分析力や情報処理能力には長けている一方で、視座が担当者レベルにあることから、「なぜその提案が今必要なのか」「全体にどんなインパクトがあるのか」といった本質的な問いへの抽象化・言語化には苦戦している様子が見られました。
しかし、コーチングを重ねるごとに、プロジェクトの意義や全社への波及効果、ステークホルダーの巻き込み、そして経営判断に資する数字的な裏付けなど、多面的な視点での思考が深まり、アウトプットの質が明らかに変化していきました。たとえば、当初は技術改善にとどまっていた施策が、最終的には「全社の投資採算性にどう影響を及ぼすか」という仮説を立て、競合比較や財務数値を用いて説明するまでに昇華された事例もありました。これはまさに経営視座で語られた提案だったと言えます。
最終プレゼンでは、「自分の言葉で語る」「意思を持って提言する」姿勢が明確に現れ、単なる報告ではなく、変革の担い手としての覚悟が滲む発表が数多く見られました。
また、大企業特有の組織構造的な制約や、現場と経営の距離感といった“変えにくさ”についても率直な議論がなされましたが、それらを“他責”にせず、「自分にコントロールできる範囲からどう変革を起こすか」という思考への転換が起きたことも、本研修の重要な成果だと考えています。変革に向き合うミドル層の葛藤を正面から扱ったからこそ、単なる知識習得を超えた“当事者意識”の醸成につながったと実感しています。
Q.研修の実施を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
変革を進めるあらゆる企業に対応できる実践型プログラムをご提案できます。
このようなプログラムはすべて、各社の戦略・組織・文化に応じてゼロからテイラーメイドで設計します。受講者の課題設定やスキルレベル、組織の目指す変化にあわせて、問いの深さや学習プロセスを柔軟にカスタマイズすることで、表面的な研修効果ではなく、持続的な行動変容を目指します。