「自由に楽しく働く社員が増える秘訣!!!」公開セミナー報告
「自由に楽しく働く社員が増える秘訣!!!」EQパートナーズ公開セミナー 講師 : 猪原祥博氏
2023年2月13日 に開催したEQパートナーズ主催の公開セミナーについてご報告いたします。
セミナーのご案内および講師プロフィールについてはこちらをご覧ください。
【セミナー案内】 自由に楽しく働く社員が増える秘訣!!!【開催日時】2023年2月13日(月)16:00-17:00
セミナーの内容
安部哲也(EQパートナーズ代表取締役)より
今回のご講演では、下記の2点で多くのことが学べると考えています。
- 一つ目は「動く」。 教育の現場にいる中で、考えることはできるが動けない人が多いと感じます。「動く」が重要。
- 二点目は「楽しむ」「面白くやる」
猪原様の著書「会社員3.0」では、会社と対等に自由に働くためのエッセンスが詰まっています。ご参考にされてください。
猪原祥博様のご講演
自己紹介
1973年生まれ、25年勤務中に3社の新規事業の立ち上げに関わり、現在は3社目のNTTパラヴィータ(ICTを活用した未病社会の実現)に出向中です。
1社目はNTTソールマーレ(コミックシーモア事業)、2社目はNTT スマイルエナジー(太陽光発電の遠隔監視サービス事業)でした。
NTTという官僚組織で自由に楽しく25年働いてきて、その経験を書籍「会社員3.0」にまとめました。会社のリソースを使いながら自由に楽しく働く、ということについて書いています。
改めて考える人事・人材開発部門のミッションとは?
人事・人材開発部門は、 研修、人材育成、労務管理、離職防止などを時代に合わせて多くのことをやらなければならないと思いますが、改めてそのミッションとは何でしょうか。
私が考えるミッションは下記です。
社員の能力を最大限に発揮させ社会のために用いること
「強みを発揮している人はそうでない人に比べて6倍も生産的で総じて幸福」という調査結果があります。強みが発揮できている状態とは「楽しく働けている状態。没頭して働けている状態」です。
グローバルな調査では仕事に没頭している人: 13%しかいないそうです。そこで、どんな環境でも、仕事を楽しめて没頭できる自立した会社員を「会社員3.0」と定義しました。(1.0は生活のために働く状態、2.0は高給と権限を求めて社員同士が競争する状態)
会社員3.0はどのように実現していくのか?~こうやれば良い5つのポイント
今までの経験から、会社員3.0を実現していくためのポイントをまとめてみました。
- 自分の仕事を大義を持った大きな仕事にカスタマイズする
- 自分を大義に腹落ちさせ大義を達成するエージェントと位置づけ、会社から分離させる
- 社内外の仲間を大義への共感で巻き込む
- プランのすり合わせを行い、大義へ向かう最初の一歩の承認を勝ち取る
- 大義に向かい2~4を繰り返す
第1ステップ : 仕事をカスタマイズする方法~3社目のNTTパラヴィータ事業創出の場合
仕事をカスタマイズする方法は、現在所属するNTTパラヴィータの場合でお話します。
当初「認知症の予兆を検出するAI技術を事業化せよ」という指示がありましたが、正直あまりワクワクしませんでした。そこでブレストしたり、話を聞きにいったり、関連書籍を読むなどしてイメージを広げ枠組みを変えて、自分としてワクワクするポイントを探りました。
パラマウントベッドの大阪ショウルームに見学に行ったところ、そこで睡眠データの活用やパラマウントベッド社のパートナーとしての可能性を感じました。
また「認知症」というキーワードがピンときていなかった中、いろいろ調べていたのですが、社会保障給付(財務省データ)の見通しで2025~2040年の15年間で48兆円(医療介護費は30兆円)も増えるとのデータがあり愕然としました。このままではまずいこと明らかです。
「黄帝内経」という古い文献には「この一流の医者は病気にさせない。」と書かれており、なるほど、と思い「睡眠データによって病気にさせない=未病ケア社会を作る」ということが大義になる、と腹落ちしワクワクしました。そうすれば「認知症」はその一部と理解できます。
このように、自分のワクワクする大義を腹落ちさせることが最初にやるべきこととして大切です。与えられた仕事から「自分の仕事」に変えることができます。このことをオーナーが自分になる「大義の腹落ち」とよんでいます。
第2ステップ : 自分は大義達成のエージェクトと考える
次に、自分の立ち位置は「自分は大義達成のエージェクト」と捉え、会社はあなたの活用できるリソース、と考えます。自分を歯車だと思うと無力感を感じますが、自分をエージェントだと思うと会社はリソースの宝庫と気づき、全能感を感じることができます。
第3ステップ : 社内外の仲間を大義への共感で巻き込む
次のステップでは、周りを共感で巻き込んでいきます。この時、大義が大切になります。
社長にプレゼンした際もまずビジョンと大義を説明しました。最初の段階では社長に事業計画は説明していません。事業計画は共感の後で良いのです。
そして社外のメンバーも同様に共感で巻き込んでいく。世の中にとって良いことをしっかり自分の仕事としてリンクさせて設計することが何よりも大切です。
第4ステップ : プランのすり合わせとクロージング
最終的にやらなければならないのはプランのクロージングです。
大義とビジョンに向かって「自分」と「社外」と「会社」の3つの輪すり合わせていくステップです。
社外(仲間、パラマウントベッド)×自分(エージェント)×会社(リソース)の3つの輪の重なりが「プラン」になりますが、どの重なりも外さないことが重要です。
「自分」を外してしまうとやる気がなくなり「推進力不足」となってしまう。これはとかく起きがちなので注意が必要です。また「会社」を外すと「リソース不足」、「社外」を外すと「確からしさ不足」になってしまいます。
パラヴィータの例では、「社外」を外すと、睡眠に関するノウハウや高齢者へのチャネルなど、成功のための重要なパーツがなくなり、承認が得られなくなってしまいます。
「黙認」という承認
今回、本を出すにあたり承認を得ることが必要な人数は25人いました。全員の意見を確認して承認を取ろうとするとまとまりません。そのため、目指すべきは「黙認」という承認と考えました。
黙認は「プランについて細かく言えば意見はあるが黙っておいてやるよ」というものです。
本気で良いことをやろうと思っている人は足を引っ張りたくない、と考えています。積極的に応援はしないがやることにNoは言わない、というのが8割くらいの人です。ですから残りの2割をしっかり巻き取って進めていく、ということです。
新しい挑戦につきものの「困難」をいかに乗り越えるか
新しい挑戦は困難がつきものです。例えば、レピュテーションリスクは本当に大丈夫なのか。相手は本気なのか、など次々と懸念が生まれ社長からの宿題が1000本ノックのようになったり 、またコロナで停滞したり、とさまざまなハードルが出てきました。
その際も重要なのはやはりビジョン・と大義です。パラヴィータの場合は、そんな時、感動的なパラマウント社長のプレゼンがあり、また前に進むことができました。
パラマウントベッドの社長は「医療介護ベッド(病気を待っているベッド) も重要だが、新事業は未病社会を目指す事業。売り上げは減るかもしれないが価値がある」と説明されたのです。
そして10%出資が決まり結果的に49%までの出資になりました。他にも途中困難がいろいろありましたが、大義が腹落ちできていたからこそ一年かけて這い上がることができ、2021年7月 (株)パラヴィータ設立することができました。
もちろん、うまくいっていない部分もあります。しかし、自分の人生、未病気社会を作るために全力を投じる自分が成功だと思えますし、そのような気持ちでやっていることが素晴らしいと思えます。市場があるから作るのでなく、市場を作っていく。これが失敗したとしても自分にとっての成功であり頑張ったと思えるのです。
「なぜ?」がプランよりも大切です。どのように、何を、より「なぜ」。それは「病気のない未病ケア社会を作りたいから」。大義でしっかり腹落ちしていることで、変なプレッシャーに耐えることができます。
自分の大義は「社員がもっと自由に楽しく働ける社会を作り、日本をもっと元気にしたい!」です。そのために「会社員3.0研修~現在の仕事を「楽しい!」に変えるための5つのワーク」という研修も行っています。
まとめ : 自由に楽しく働く秘訣
最後に、自由に楽しく働く秘訣を3点にまとめます。
- 大義ある自分の仕事を作る
- 大義で周りを巻き込む
- 大義へ向かうプランをすり合わせて実行する。
最後に(EQパートナーズより)
自由に楽しく働くための5つのポイント、大義の重要性など実体験をもとに大変わかりやすくご講演いただき、その後の質疑応答も活発に行われました。猪原様、ありがとうございました。
EQパートナーズでは、皆様のご関心が高いと思われるテーマについて、随時、公開セミナーを開催しております。
また、EQパートナーズとして猪原講師の研修を行うことも可能ですので、ご希望等ありましたらお問い合わせいただけましたら幸いです。
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