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リスキリングに必要なマインドセットとは? (藤井浩美)

EQパートナーズ エグゼクティブ・コンサルタント/MBAの藤井浩美(元NEC)です。

近年注目されている「リスキリング」

近年、”新しいことを学び、新しい業務や仕事につくためにスキルを身につける”という「リスキリング 」が注目されるようになりました。目にする記事によれば、その多くは、この10年ほどで重要性が増しているDX(デジタルトランスフォメーション)への対応やデジタルリテラシーの向上などとの関係で語られる場合が多いように感じます。

考えてみれば、リスキリング (新しい知識やスキルを身につける)ということ自体は、従来においても、今までの業務とは違う業務・部署への異動などでも必要な事だったと思います。また、自分がやりたい新しい仕事を始めるとか、起業する、副業を始める、ということも、その実はリスキリング の連続ではないでしょうか。

私自身の経験で言えば、技術研究所での研究職からデザイン部門へ、その後もマーケティング、Webサイトの企画・運営、ブランドマネジメント、CSR(SDGs推進)など、4~5年ごとに異動があり、その度に、必死になってその分野の勉強をしたり、周囲のメンバーに教えてもらったりしながら業務に必要な知識やスキルを身につけていったように思います。

このように、いろいろな部署を経験し、新しい分野の勉強を何度も経験して感じることは、リスキリング では、新しい知識やスキルを身につけるために必要な「共通する重要なこと」、つまり、リスキリング を最大限効果的に成功させる「マインドセット」があるのでは、ということです。

経験からの気づき~リスキリングのマインドセット

その「マインドセット」を意識するようになったきっかけは、40代で入学した大学院(豪Bond大学MBA)での経験です。ほぼオンライン学習で、受講生はさまざまな地域から参加していました。クラスではグループワークでのレポートの課題が出るのですが、3週間ほどの間に4~5人のグループを作り、そして課題に取り組み、レポートを提出しなければなりません。メンバーを募るにも、課題を進めるにも、自分から動かないとあっという間に時間切れになってしまいます。

一度も会ったことのないメンバーなら、それぞれの得意なことも苦手なこともわからない所からのスタート。その中で最大限良いレポートを短期間で仕上げるにはどうしたら良いか。それには受け身でなく、自分から「私はこれができると思うけれど、◯◯さんにはこれをご担当いただくのはどうでしょう?」とか、「いくつかアイディアを考えたのでご意見ください」というようにそれぞれのメンバーが主体的にチームに貢献できることを考えて提案・調整していくことが求められました。

大変な経験でしたが、そのような経験を経て思ったことは、「自分がグループに何が貢献できるのか」「グループが最大の結果を出すために自分は何をしたら良いか」を考えることが、結果として、受け身で学ぶよりも、自分自身の学びとしてはるかに深く、また充実したものにしてくれた、ということです。

実践で役立つリスキリングのマインドセット

この気づきと学びは、異動で新しい業務に取り組む際にとても役に立ちました。異動先では、とかく教えてもらう事ばかりで受け身になりがちです。しかし、それまでの違う分野での経験から「自分が新しい部署に貢献できる事は何か」を考え、提案する事は可能です。その部署にとっては気づかなかった視点だったり、実践していなかった重要なことであったりもするのです。また、そのことで、新しい部署のメンバーに自分のことをより知っていただくことになります。たとえ、その提案が当初はピントが外れたものであったとしても、フィードバックを早くもらえることになり、軌道修正ができ、それもまた学びになるのです。

この「チームに貢献できることを考える」「チームとして最大のパフォーマンスを出すために自分がやるべきことを考える」というマインドセットは管理職として部門のマネジメントを担当する際にも大切なものになりました。どんな組織もさまざまな人がおり、知識・スキルも、仕事をする上でのスタイル(私は芸風と言っていましたが(笑))も多様です。

そのような人々のチームとしてのパフォーマンスを最大にするには、自分がどのように行動したら良いのか。部門の方針を見直すことが良いのか、部下に対してコーチング(対話で引き出す) が良いのか、ティーチング(教える)が良いのか、それともサポート役になることが良いのか、自分が実践して見せてあげることが良いのか。このように、マネジメントについて、指示や管理だけでなく、視野を広げ対応の引き出しを増やすことに役立ったと思います。

昨今、注目されているリスキリング についても、知識・スキルの習得と同様に、このようなマインドセットを意識して取り組んでいくことで、学びが深まり、また実践でも最大限に生かせるようになるのではないかと思います。

EQパートナーズ株式会社 エグゼクティブ・コンサルタント/MBA 藤井浩美

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ニューノーマル時代のグローバルリーダーに求められるもの(中村好伸)

  1. 白川 俊哉

    自分が、グループに、最大の結果をだすために、どうしたらよいか?気ずきと学びが、大切、その言葉が、心に、残っています。最近、詠んだ?本で、最大の利益を求めて、最善の方法を選ぶ と言う本のキャチフレーズに、惹かれるて、ゲーム理論の本を購入しました。自ら、行動しないと、結果が、出ない事が、判りました。あたり前の事ですが、

    これからも、ブログなどで、情報を発信してくださいね。楽しみに、しております。

     

    • eqpadmin

      白川様、コメントをありがとうございます! おっしゃる通り、行動することが大切….頭でもわかっていても実際に行動することは難しいですよね。私自身も、小さいことからでも少しずつやろう!、と自分に言い聞かせたりしています。これからもどうぞよろしくお願いします。藤井浩美

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