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周囲を巻き込み協力を得るための源は「セルフ・リーダーシップ」(藤井浩美)

プロジェクトを進める際、どうやって周囲を巻き込んでチームを作っていくのか、どうやって多くの人の協力を得ていくのか、というのはリーダーシップを考える上でも重要なテーマです。

ポルトガルに伝わる民話に「石のスープ」というお話があります。

飢えた旅人(修道士とも)が集落にたどり着き、民家に食事を求めて立ち寄ったが、食べさせるものはないと断られてしまった。一計を案じた旅人は、路傍のを拾うともう一度民家にかけ合った。「煮るとスープができる不思議な石を持っているのです。鍋と水だけでも貸してください」

興味を持った家人は旅人を招き入れた。旅人は石を煮始めると「この石はもう古くなっているので濃いスープになりません。塩を加えるとよりおいしくなるのですが」と説明した。家人は塩を持ってくる。

旅人は同じようにして、小麦と野菜と肉を持ってこさせた。できあがったスープは見事な味に仕上がっていて、何も知らない家人は感激してしまった。旅人はスープのできる石を家人に預けると、また旅立っていった。

石のスープ – Wikipedia

このエピソードは、旅人の知恵によって食事にありつけたという話ですが、知恵を働かせて協力を集めることの比喩にも使われることもあるようです。

・家人が興味をそそるビジョンを提示 :「この石を煮るとスープができる」

・家人ができそうな小さなステップの解決案を順番に提示: 「塩を入れると…」「野菜を入れると…」「肉を入れると…」

など、人々の協力を得るための気づきを与えてくれます。

ここで、もう一つ重要なポイントを挙げたいと思います。それは、基本には旅人の「アイディア」と「行動」があったということ。厳しい状況の中でも、たった1人でも、自分なりに何ができるかを考えて行動した、という点に注目したいと思います。

EQパートナーズの考える「リーダーシップ」は、下記の4つのリーダシップであり、

(1)自分をリードする【セルフ・リーダーシップ】
(2)チームをリードする
(3)世界をリードする
(4)社会をリードする

(1)の自分自身をリードする「セルフ・リーダーシップ」をリーダーシップの土台に据えています。

天台宗の開祖である最澄が説いた「一隅を照らす、此れ則ち国宝なりと」という言葉は、一人ひとりが自らの周りを照らしていけば、自ずと社会全体が明るくなる、という教えですが、ここにも「自分一人」からがスタート、と説かれています。

この言葉のように、周囲の協力を得られるリーダーシップの大元は、自分自身が源として発揮する「セルフ・リーダーシップ」ではないでしょうか。さまざまなビジネスや社会活動において、一人ひとりがそれぞれの立場で自分らしいリーダーシップを発揮して、周囲を照らして行けると良いなぁ、と思います。

EQパートナーズ株式会社 エグゼクティブ・コンサルタント 藤井浩美

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