2040~50年の未来の日本を考えてみよう(藤本直樹)
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5月8日からCOVID19も5類に移行、世の中の風景が大きく変わりつつありますね? 奈良や京都も多くの観光客で以前の賑わいを感じつつ住民にとっては悩ましき風情の感も否めません。
1970年代からの変化
1950生の小生、同年生は185万人、80,90年代のJapan as no.1を体感し、100年後の日本の未来に大いに期待して人生を送って参りましたが、2040~50年の未来の日本に少し思いを馳せてみたいと思います。
70年代の実社会に出た頃、土曜は半ドンから隔週週休二日制が先進企業で進み、電話交換手・タイピストという職種があり、青焼きコピーが使われ、長距離通話は勿論ダイヤル式電話機で100番申込、電話債券とやらが資産計上、新幹線は岡山止まりでした。
通信手段の進歩は自動車電話・PHSそして今や携帯電話、メールは小学生も。1995年阪神淡路大震災当時は公衆電話に長蛇の列でした。つい四半世紀前のことですが・・・.
2040-50年代の日本の予測
2023+約20年、2040-50年代の日本は次のような風景になるようです。(『2040年の日本』幻冬舎より)
- 2050年の日本の人口は約1億人で現状比20%減・・・世界一はインドで16億人現状比20%増
⇒住宅も土地も電車も何もかも20%のスケールダウンで、ラッシュ緩和へ. - 実質経済成長率について、OECD予測値は2020-30年代で0.9%.政府の財政収支試算は2%
⇒日本政府の長期見通しは歴代非現実的な高い数値予測、MUFJ予測値/0.5-0.7%/2020-30年 - 2060年代には、現役世代人口=高齢者人口、2040年で高齢者1人を現役1.5人で支える
⇒少子化・高齢化深刻化⇒社会保障制度(年金・医療等)を維持できるか - 2060年、中国のGDPは日本の約10倍になる
⇒GDP伸び率 : 2020年→2060年/中国=+165%、日本=+8%
⇒日本の防衛費を1⇒2%に倍増することに意味があるのか? - 自動運転とEVで生活は大きく変わる、レベル4or5の2020年代における実用化、カーシェア普及
⇒ドライバーの失業、ラスト1マイルの配送、実店舗の縮小、車生産台数激減、駐車場↓による地価暴落 - 期待される新しい技術としての、リアルタイム自動翻訳とフードテック
⇒国際的な在宅勤務、デジタル移民の受入増加、アウトソーシングの進展、食の安全安定確保 - 医療・介護技術の進歩
⇒癌の克服、人工内臓、人間とAIの融合、スマートウォッチで診断、ナノマシーンで治療、介護ロボット定着
皆様、如何でしょうか?
以前「皆様には新しいタイプの資産を築き、マルチステージの人生を是非生き抜いて戴きたい」と申しましたが、上述の「未来の姿」を現在に投影して我々が考えなければならないことは「未来に向けての人財開発が急務」と言うことではないでしょうか?
望まれる次世代の人財育成
スタンフォード大MBA卒の年俸は約160万ドル=2千万円超、日本の大卒の7倍以上、アメリカの大学生が死に物狂いで勉強するのは「成績で年俸が異なる」から。但し、スティーブ・ジョブスもビル・ゲイツもザッカーバーグも大学中退です。「成功がほぼ確実な事業を見つけたから大学でこれ以上勉強する必要は無い」のが天才の共通点。
デジタル関連の主要国国際指標で日本は29/63位、①デンマーク、②アメリカ、③スウェーデン、④シンガポール、⑤スイス、⑧韓国・・・ デジタル人財育成の遅れが日本の「後れ」の根本原因ですね? 企業の俊敏性・ビックデータ活用も低位です。
我々世代を支えてくれたOJTは日本のお家芸、但しGDP比の人財投資は何と0.1%、アメリカの1/20です。OJT中心の製造業から情報処理産業への移行のためのリスキリングが不可欠な現況と思量致します。
現代の我々世代は将来の世代に対して耐えられないほどの大きな負担を残そうとしております。
EQパートナーズ エグゼクティブコンサルタント 藤本直樹
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