「LIFE SHIFT 2 – 100年時代の行動戦略」〜求められる「変身資産」(藤本直樹)
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2024年辰年、早々の災禍続き、今年の「辰」は暴れ龍のようですね?
リンダ・グラットンの名著「LIFE SHIFT」について、このコラムでふれて1年経ちましたが、改めまして「LIFE SHIFT 2 – 100年時代の行動戦略」に関しても述べてみたいと思います。
COVID19によるパンデミックもひとまず収束しつつありますが、その結果である新しい現実を前にして、勤務態様(働き方)の変化にテクノロジーの活用もあいまって、ここ数年で大いに「変革」が進んだのではないでしょうか。
「”新しい長寿時代”の核は、マルチステージの人生と幅広い選択肢だ」と著者は述べております。100年ライフのために、いかに「変身資産」を充実させておくか?
これが前作「LIFE SHIFT」の主旨でしたが、「LIFE SHIFT-2」は、対面よりもバーチャルのやりとりが増え、人的ネットワークの規模が縮小化してしまった現況への警鐘(けいしょう)とも思われます。
今回も7人の架空のキャラクターの目を通して環境の変化をみていきます。
まさに金沢に住むヒロキとマドカという20代なかばのカップルも制約からの変革に努めて参ります。
本書のキーワードを章単位で抜き書きいたしましょう。
- テクノロジーの進化+長寿化の進展=生活改善↑…人間としての課題
(ヒロキとマドカ…子供の数は親世代より少ない↓が、親世代への義務は過大化↑) - 人生の「碇(いかり)」の喪失⇒漂流状態⇒人生のあり方を設計し直す…とくに、深い「絆」を育む
- 自分の人生のストーリー<物語>を紡ぐ…鳥瞰(ちょうかん)、学習-勤労-余暇の割り振り、再帰性(自らの行動で未来を)
- 人生のマルチステージ化…生涯学習、探索と調査、未来のありうる自己像、人的ネットワークの広がり
- 家族・世代・コミュニティーの支え合い⇒人生の成功=幸福度・満足度↑⇔人間関係づくり
- 企業の課題…入社年齢多様化、新しい退職の形、子育て+介護者支援・学びの支援、人手不足対応(テクノロジー)
- 教育機関の課題…大人の学習、柔軟性と自在性、積上げ型+持ち運び可能なスキル、テクノロジーの最大活用
- 政府の課題…「職」ではなく「人」を守る、道筋の提供、健康維持支援、長寿経済の構築
- 未来に向けて前進…先手を打つ、将来を見据える、「ありうる自己像」を意識、可変性と再帰性を意識
皆様の現在とこれからの行動が、将来のご自分に返ってまいります。
マルチステージでは移行の機会が増え、その経験が人生の節目になります。
そのためには「生涯にわたる人間関係」の織り込み・構築が不可欠のようですね。
EQパートナーズ エグゼクティブコンサルタント
元帝人 人事部長/帝人グループ会社 社長
藤本直樹
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